ピアノが脳にいいって本当？大人から始める効果や発達する能力を解説

「ピアノは脳にいい影響を与える」「ピアノを弾く人は認知症にならない」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。

大人からピアノを始めると脳にいい影響があることが認められており、ピアノを弾くと脳のさまざまな分野が同時に活性化されます。

またとある著名な脳科学者は、「子どもの習い事はピアノだけでいい」と発言したほどです。

本記事では、以下の内容について解説します。

大人がピアノを弾くメリットはたくさんあるので、この機会にぜひピアノを始めましょう！

ピアノが脳にいい理由

脳は使えば使うほど発達していく器官なので、ピアノを弾くことで脳のさまざまな領域が刺激され活性化します。

本章ではピアノが脳にいい具体的な理由を2つ紹介します。

ピアノを弾くと脳がどのような状態になるのか解説するので、ぜひ参考にしてください。

複数の動作を同時に行い脳がフル回転するため

ピアノを弾く際は以下の動作を同時に行うため、脳がフル回転します。

脳は2つ以上のことを同時並行するのが難しいにもかかわらず、ピアノは複数の動作を同時に行わなければ演奏できません。

したがってピアノを弾いている間は脳がフル回転状態となり、脳のさまざまな分野が活性化します。

脳全体をバランスよく使うため

ピアノを弾く際は両手・足・目・耳をバランスよく使い、さらに感情表現や次に弾く楽譜の先読みなどさまざまなことを行うため脳が刺激されます。

特に指先には神経が集中しており、動作を指令する「運動野」の3分1、感覚を感じ取る「感覚野」の4分の1を左右の手と指に通る神経が占めているのです。

つまりピアノを弾くと、両手だけで脳の4分の1から3分の1を刺激していることになります。

加えて足の動き・視聴覚・感情表現などを行うので、脳全体がバランスよく刺激されて脳が活性化します。

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大人からピアノを始めることで得られる脳への効果

大人からピアノを始めても脳は発達し、人生においても良い影響を及ぼします。

「ピアノは子どもの頃から習わなければ脳は発達しないのではないか」と思った方がいるかもしれませんが、その考えは間違いです。

本章では大人からピアノを始めることで期待できるメリットを紹介します。

「ピアノを始めたいけど迷っている」という方は、ぜひご覧ください！

脳の構造が変化する

脳は生きている限り発達を続けられる器官で、ピアノを継続することで脳の構造が変わることが証明されています。

5～8歳頃の子どもの場合は、ピアノを始めてから4ヶ月ほどで効果が現れ、2年ほどで脳構造に変化が出るといわれています。

大人の場合はさらに長い期間が必要となる可能性がありますが、やればやるほど脳は良い変化を遂げていくのです。

大人の趣味として人気のあるピアノですが、継続することで脳のさまざまな分野が発達し、良い影響を受けられるでしょう。

認知症予防になる

ピアノを弾くことで神経細胞が活性化され、認知症を予防できる効果が期待できます。

指先にはたくさんの神経が集まっており脳と直接結びついているため、ピアノを弾いて指先を刺激することは脳の活性化につながります。

ピアニストとピアノ未経験者を対象にした脳の動きをMRIで計測する実験では、同じ動作をしたときにピアニストの方がより多くの神経細胞を活性化させている、という結果になりました。

ボケ防止に何か始めたいと考えている方は、脳全体を活性化できるピアノがおすすめです。

脳の老化防止になる

ピアノは楽譜を読みながら両手で違う動きをするなど複数の動作が必要になるので、脳の老化防止になります。

脳の老化を防ぐには、2つの作業を同時に行う「二重課題」のトレーニングが効果的です。

人間の脳は年を重ねるほど二重課題が難しくなり、そのままにすると衰えてしまいます。

ピアノを弾くことは二重課題どころか多重課題をこなせるので、良いトレーニングとなり脳の若さを保てます。

ピアノで発達する脳の4つの領域

ピアノを弾くことで大きく発達する脳の分野を解説します。

長期的にピアノを弾いていると脳の構造まで変わると言われており、どういった分野に変化が起こるのか詳しく紹介します。

脳梁｜情報処理能力の向上

右脳と左脳をつなぎ、情報を伝達する神経の束が脳梁です。

ピアノを弾かない人よりもピアノを弾く人の方が、脳梁の束の太さが5倍になっているという研究結果があります。

脳梁は大人になってからも太くなることが確認されており、太くなることで脳の左右バランスが良くなって情報処理能力が向上します。

小脳｜運動機能・記憶力の向上

ピアノを弾くことで、後頭部の下の方にあり運動をコントロールする小脳が発達して大きくなります。

小脳は運動機能だけでなく、知的機能・感情的機能にも関連する部位です。

ピアノを弾いて小脳が発達すれば、記憶力や注意力が向上するメリットが期待できます。

海馬｜記憶力の向上・認知症の予防

海馬は大脳側頭葉の内側にあり、「記憶の司令塔」と呼ばれる器官です。

記憶の選別・短期記憶の保存・長期記憶する情報の大脳への輸送などの役割をしています。

ピアノを弾くことで海馬の機能が刺激され、記憶力の向上や認知症の予防につながる効果が期待できます。

また海馬が発達するとストレスの抑制機能が向上したり、やる気を司る「側坐核」という器官が活発になったりすることも。

ピアノを練習すれば気持ちが前向きになり、やる気が向上して集中力もアップするでしょう。

前頭前野｜考える力・社会性の向上

「脳の中の脳」とも言われる重要な分野が前頭前野で、大脳の一番手前にある前頭葉の3分の1を占める大きさがあります。

ピアノを弾いて両手の指がそれぞれ違う動きをすることで、前頭前野が構造的に発達するといわれています。

前頭前野は考える力・創造性・社会性など、高度な精神活動を司っている分野です。

そのためピアノを続けることで、コミュニケーション力・自制心・モチベーションの向上も期待できるでしょう。

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ピアノを弾くことで向上する能力

ピアノを弾くことで脳が発達すると、学力に直結するものや人生を豊かにするものなど、さまざまな能力が向上します。

上記はいずれも向上させて損のないものばかりです。詳しく見ていきましょう。

HQ(人間的知能)

HQ(Humanity Quotient)とは、人間らしい人生を送るために必要な本質的能力のことです。

夢や目標を叶えるために適切な行動をする力や、理性・思いやり・協調性を身につけ周囲と円満に過ごす力などを指します。

つまり、社会生活を送る上で重要な「生きる力」そのものがHQなのです。

脳科学者の澤口俊之氏によると、さまざまな習い事がある中でピアノはHQをダントツに向上させるという結果が出たそうです。

またHQが向上するとIQ(知能指数)も上がると言われており、昨今では教育界においても注目されています。

ワーキングメモリ(作業記憶)

ワーキングメモリとは「現在の作業に必要な情報を一時的に保持しながら、同時に一連の作業を効率的に行う能力」です。

ワーキングメモリは楽譜の先読み、つまり一時的に楽譜を記憶しながら指を動かすことで鍛えられます。

特にピアノは右手の楽譜と左手の楽譜があるので単旋律の楽器よりも難易度が高く、よりワーキングメモリを鍛えられるでしょう。

いわゆる「頭のいい人」「仕事ができる人」は、このワーキングメモリが優れていると言われています。

ピアノを弾いてワーキングメモリを鍛えれば、板書の際に黒板を見る回数が少なくて済んだり、マルチタスクをこなせたりするでしょう。

読解力・語彙力

ピアノを弾くと言語に関する能力も向上し、楽譜から音楽や情景を読み取ることで読解力が向上していきます。

また脳梁が発達することで語彙力が上がりやすくなり、言葉の引き出しが増えるメリットも。

作文能力が自然と身につくなど、ピアノは国語力全体を向上させると言っても過言ではないかもしれません。

リスニング能力・外国語の習得

ピアノの演奏を注意深く聴くことで聴力が発達するため、日本語・外国語問わずリスニング能力の向上につながります。

また楽譜を読んで両手の動きに起こすことは、翻訳のプロセスに似ています。

複数の研究によると、楽譜の読み方を習った子どもは外国語の成績が良かったという結果も。

楽器の演奏と外国語の習得には相関関係があるといえるので、ピアノで脳を鍛えれば外国語の勉強もスムーズにいくでしょう。

運動機能

ピアノを弾くことで、「巧緻運動」と呼ばれる細かい動きや絶妙な力加減を制御できるようになります。

運動機能をうまく制御できるようになるのは、脳と筋肉の協調性が上がるためです。

脳の指令を身体が素早く的確に行うことは運動の基本なので、ピアノを弾くことで基礎を底上げできます。

記憶力

ピアノを弾くことで記憶の司令塔である海馬が発達するため、記憶力が向上します。

ピアノは両手の動きはもちろん、楽譜や練習方法、講師から教わったことなどたくさんのことを覚えなければなりません。

忘れないよう練習を繰り返すことで短期記憶から長期記憶に変わり、練習を長期にわたって行うと記憶力そのものが向上します。

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「ピアノを弾く人は〇〇」の真相3選

最後に、ピアノを弾く人に対してよく囁かれる噂を紹介します。

噂の真相はポジティブなものが多いので、ぜひ参考にしてください。

ピアノを習うと頭が良くなる？

ピアノを弾くことでHQやワーキングメモリが鍛えられるため、頭が良くなるということは一理あります。

ピアノでIQが上がることは脳科学的にも証明されており、学力が向上する効果が期待できるでしょう。

またマルチタスクやコミュニケーションなども得意になり、日常生活がスムーズに送れるようになることも期待できます。

ピアノを弾いていると認知症にならない？

ピアノを長期間弾いても認知症になるリスクはゼロにはなりませんが、なりにくくすることは可能です。

指先の神経は脳とつながっているので、ピアノを弾くことで脳を活性化できます。

実際にピアニストで認知症になった人は少なく、ピアノによる認知症リスクの低下は大いに期待できます。

ピアノが弾ける人は算数・数学が得意？

日常的に楽器を演奏している人は、そうでない人に比べて数学のテストで良い成績を収めたという研究結果が出ています。

音楽理論のベースは数学であり、楽譜を読んだりリズムを取ったりする際に自然と数字を用いているのが、好成績になる理由だと考えられます。

そのためピアノを通じて音楽を学べば、算数・数学も自然に理解できるようになる可能性が高いでしょう。

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ピアノは楽しい脳トレになる！一石二鳥の趣味にしよう♪

ピアノは脳全体を鍛えられる万能の脳トレで、認知症や老化防止の効果が期待できます。

楽しみながら脳をバランスよく鍛えられるので、大人からピアノを始めて生涯楽しめる趣味にしましょう！

なお「ピアノを始めたいけど、教室に通うのが難しい」という場合は、オンライン講座を活用するのがおすすめです。

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