ジャズヴァイオリンの基礎から弾き方まですべて分かる！おすすめ奏者も紹介

なんだかオシャレで大人な雰囲気のあるジャズ。

実は、ヴァイオリンでもジャズを弾くことができます。

では、ジャズヴァイオリンとは具体的にどのようなものなのでしょうか？

そこで、この記事では以下の内容について解説します。

この記事を読めば、クラシックとジャズの違いなど、ジャズヴァイオリンについて詳しく知ることができます。

ぜひ参考にしてみてください！

ジャズヴァイオリンって何？

ジャズヴァイオリンとは、リズムやノリに合わせて自由に弾く演奏スタイルのことです。

形式ばったクラシックと異なり、自分流にアレンジして自由に楽しく弾くのが特徴。

ここでは、ジャズヴァイオリンについて詳しく解説します。

クラシックとジャズの違い

クラシックとジャズの違いには、曲の解釈や奏法などさまざまなものがあります。

	クラシック	ジャズ
曲の解釈	楽譜に書かれた指示通りに弾く	楽譜を自分流に弾く
奏法	一般的に正しいといわれる奏法で弾く	自分流で弾く
合奏	練習通りに弾く	即興演奏を楽しむ
演奏場所	コンサートホールなど	ライブハウス・路上など
アドリブ	楽譜に指示がない限りはアドリブしない	アドリブを積極的に入れる

クラシックには「伝統的な・一流の」という意味があります。

演奏は楽譜や指揮者の指示通りに行い、自分の好きなようにアレンジすることはありません。

一方で、ジャズはその場のノリに合わせて自由に弾くことが特徴です。

19～20世紀に誕生した黒人音楽で、リズムに乗って自由なスタイルで演奏します。

フィドルとヴァイオリンの違い

フィドルとヴァイオリンは、どちらも「弓を使用して演奏する弦楽器」を指します。

フィドルは英語、ヴァイオリンはイタリア語で、呼び方が異なるだけです。

しかし、フィドルは弦楽器全体を指すことが多く、二胡や馬頭琴などもフィドルの定義に当てはまります。

呼び方の使い分けとして、クラシックではヴァイオリン、民俗音楽ではフィドルと呼ばれることが多いです。

なおジャズ・カントリーミュージックなどの場面でも、フィドルと呼ばれることがあります。

ジャズヴァイオリンの演奏スタイル

ソロでジャズヴァイオリンを演奏する場合は、伴奏をつける場合がほとんどです。

楽譜通りに弾く必要はなく、テクニックを駆使して弾いたり、自由にアレンジしたりできます。

合奏ではギター・サックス・コントラバスなどさまざまな楽器と即興で演奏します。

誰かがアドリブを入れたらそのアドリブに呼応して弾くなど、演奏者同士の掛け合いが楽しめるのが特徴です。

ジャズヴァイオリンで演奏されるジャンル

ジャズヴァイオリンで演奏されるジャンルには、以下の3つがあります。

ここでは、それぞれの違いと特徴について解説します。

スイングジャズ

スイングジャズは1930～1940年代に流行したジャズで、10人以上の大人数で演奏するのが特徴です。

ジャズの中では即興（アドリブ）部分が少なく、あらかじめバンド用に編曲された曲を演奏します。

身体が自然と揺れ動くようなリズムが印象的で、「踊るための音楽」として親しまれていました。

ヴァイオリンは主旋律を担当することが多く、明るく華やかなメロディをリズミカルに弾きます。

ブルースジャズ

ブルースジャズは、哀愁漂うブルースとジャズ独特のリズムが合わさったジャンルです。

黒人音楽が発祥のブルースと西洋・アフリカ音楽などが組み合わさっているため、複雑なリズムやメロディが特徴的。

ギターなどで演奏されることが多いですが、現代ではエレキヴァイオリンで演奏を聴く機会も増えています。

ジプシージャズ

ジプシージャズは1930年代に生まれた、ジプシー（ロマ）の民俗音楽とジャズを融合した音楽です。

パリで広まったスタイルで、現在でも街中のさまざまな場所で演奏されます。

演奏にはヴァイオリンやギター、クラリネットなどが使用され、軽快なリズムと楽しいメロディが特徴です。

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ジャズヴァイオリンの弾き方

ジャズヴァイオリンを弾くには、ジャズ独特の奏法とリズムの取り方を習得する必要があります。

まずは、どのような奏法とリズムの取り方なのかを理解しましょう。

ヴァイオリンでジャズを弾くときの奏法

ジャズヴァイオリンの奏法には、以下の5つがあります。

奏法	弾き方
スライド	弦を押さえたまま左指をスライドして音程を移動させる。
グリッサンド	指板に指を1本置き、すべらせて音程を変える。
チョップ	弓の根元で弦をたたき、リズムを出す。
ゴーストノート	弓で弦に軽く触れる程度で弾き、はっきりと音を出さない。
ハーモニクス	左指を弦にそっと触れた状態で弾くことで、倍音が出る。

ジャズヴァイオリンの奏法には、クラシックを弾くときはあまり使用しない奏法もあります。

上記の奏法を習得することで、よりジャズらしい音楽を奏でられるでしょう。

リズムの取り方は「スウィング」

「スウィング」とは、ジャズ独特のリズムの取り方です。

8分音符を弾くときに、3連符のようなリズムになります。

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海外の有名なジャズヴァイオリン奏者

ここでは、ジャズヴァイオリン界を牽引してきた海外の有名演奏者を5人紹介します。

YouTubeの演奏動画もあるので、どんな演奏なのかぜひ聴いてみてください！

ステファン・グラッペリ

1908年にフランス・パリで生まれたステファン・グラッペリ氏は、ジャズヴァイオリンの第一人者として活躍した人物です。

ギター奏者であるジャンゴ・ラインハルト氏の「フランス・ホット・クラブ五重奏団」に加入し、精力的に活動していました。

第二次世界大戦前から晩年まで演奏活動を行い、ジャズ界を支え続けた一人です。

ディディエ・ロックウッド

1956年にフランス・カレーで生まれたディディエ・ロックウッド氏は、ジャズとロックを掛け合わせた演奏が特徴の人物です。

通常のアコースティックヴァイオリンも使用しますが、エレキヴァイオリンでステージに上がることもありました。

ジャンルを超えた独自のスタイルでの演奏は、非常にかっこよくて魅力的です。

クリスチャン・ハウズ

1972年にアメリカ・オハイオ州で生まれたクリスチャン・ハウズ氏は、バークリー音楽大学で准教授も務めている人物です。

アドリブ演奏のワークショップを開催したり、YouTubeチャンネルでの講義動画を上げたりして、教育に力を入れています。

2011年にはDownBeat誌でヴァイオリン界の注目人物第1位に選ばれており、プレイヤーとしても人気があります。

スタッフ・スミス

1909年にアメリカ・オハイオ州で生まれたスタッフ・スミス氏は、スウィング時代のジャズを牽引した人物の一人です。

父親の影響でヴァイオリンを始め、彼のジャズスタイルはルイ・アームストロング氏にインスピレーションを受けています。

また、エレキヴァイオリンを使用したのは、スミス氏が初めてだと言われています。

レジーナ・カーター

1966年にアメリカ・ミシガン州で生まれたレジーナ・カーター氏は、ジャズ雑誌ヴァイオリン部門の人気投票で10年間1位を取り続けた人物です。

4歳でデトロイト音楽学校に入学し、ヴァイオリンとピアノを学びました。

高度なテクニック、しなやかな音色、抜きん出た表現力が非常に魅力的な奏者です。

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日本で活躍するジャズヴァイオリン奏者

ここでは、日本で活躍するジャズヴァイオリニストを4人紹介します。

気になる演奏者が見つかったら、実際にライブを聴きに行くのもおすすめです。

寺井尚子

寺井尚子氏は、1967年神奈川県生まれのジャズヴァイオリニストです。

優れた演奏技術を持ち、アドリブ演奏の華やかさは聴く者の心を掴みます。

もともとクラシックを学んでいたため、テクニック・表現力などに申し分ありません。

2010年には文化庁の「芸術選奨 文部科学大臣新人賞（大衆芸能部門）」を受賞しています。

maiko

兵庫県神戸市生まれのmaiko氏は、寺井尚子氏のライブに通ってアドバイスをもらいながら腕を磨いたジャズヴァイオリニストです。

maiko氏の音色には女性らしい上品さがあり、ライブではリッチな演奏を楽しめます。

北床宗太郎

1980年に三重県で生まれた北床宗太郎氏は、5歳からヴァイオリンを始め、大学でジャズに出会ったヴァイオリニストです。

ジャズヴァイオリンレッスンも行っており、対面・オンラインで受講できます。

クリスチャン・ハウズ氏からは「演奏者としてだけでなく、教育者としても優れたジャズヴァイオリニストの1人」と評価されています。

牧山純子

1974年東京都で生まれた牧山純子氏は、4歳からヴァイオリンを始め、バークリー音楽大学でジャズヴァイオリンの腕を磨いた演奏者です。

エネルギッシュで躍動感あふれた演奏スタイルが特徴で、多くのファンを魅了しています。

演奏家としてだけでなく、ラジオパーソナリティやテレビのコメンテーターとしても活動しています。

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ジャズヴァイオリンの教材・楽譜

「ジャズヴァイオリンを弾けるようになりたい！」という人向けに、ジャズヴァイオリンの教材・楽譜を紹介します。

初心者にも分かりやすいDVD・CD付きのものを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

スタンダード曲で始める！ジャズバイオリン

クラッシャー木村氏とmaiko氏が、ジャズヴァイオリンの弾き方を基礎から教えるDVD教材です。

リズムの取り方やアドリブの弾き方、ジャズスタンダード曲の練習方法などが学べます。

ジャズヴァイオリンを気軽に始めたい人におすすめです。

はじめてのジャズ・ヴァイオリン入門（レッスンCD付）

クラシック・ポップス・アニメソングなどをジャズ風に演奏できるようにレッスンしていく教本です。

レッスンCDが付いており、ガイドに合わせて弾くこともできます。

親しみのある曲をジャズで弾いてみたい！という人におすすめです。

ジャズ・ヴァイオリンの練習法を教えます （CD付）

ジャズ特有のリズム感やコード進行が学べる教本です。

アドリブの弾き方も分かり、CDを聴いて音を確認しながら練習できます。

解説内容が丁寧なので、ジャズを理論的に理解したい人におすすめです。

ヴァイオリンで奏でるジャズ・メロディー（ピアノ伴奏譜＆カラオケCD付）

ヴァイオリンとピアノのデュオ用に編曲された、ジャズの楽譜集です。

ピアノ・ベース・ドラムによるカラオケ音源と共に弾けば、ジャズの持つ大人な雰囲気を感じられます。

ジャズの名曲をたくさん弾きたい、人前で弾ける曲を練習したい人におすすめです。

ジャズヴァイオリンを教えている教室

ここでは、ジャズヴァイオリンを教えている教室について紹介します。

オンラインレッスンを行っている教室もあるので、地方に住んでいてもジャズヴァイオリンを習うことができますよ。

北床宗太郎のジャズヴァイオリンレッスン

演奏家としても活躍している北床宗太郎氏は、対面・オンラインでジャズヴァイオリンのレッスンを行っています。

レッスン内容は、初心者からプロ志向の人まで幅広く対応。

メンバープログラムに登録すれば、毎月更新されるレクチャービデオを観ることもできます。

レッスン概要	東京：7,000円／60分、10,000円／90分 名古屋：8,250円／60分 zoomレッスン：5,000円／60分、7,500円／90分
公式ホームページ	https://www.sotarokitatoko.com/lesson/

入山ひとみのヴァイオリンレッスン

ジャズヴァイオリニストとして活躍する、入山ひとみ氏の指導が受けられるレッスンです。

アドリブのコツやジャズヴァイオリンの基礎を、理論と実践を交えながら学べます。

子ども・大人・初心者・経験者など、レベルや経験に合わせてレッスンしてもらえる先生です。

レッスン代	オンラインレッスン・個人レッスン：5,500円／60分
レッスン場所	東京：中井駅前／落合駅 BBミュージックアカデミー 横浜：RADミュージックスクール オンライン
公式ホームページ	http://irry.net/lesson

大矢貞夫ジャズヴァイオリン&フィドル教室

ジャズ・フォーク・カントリーなど、さまざまなジャンルを演奏する大矢貞夫氏によるレッスンです。

アドリブのコツ・練習方法を分かりやすく指導してくれます。

見学・体験も受け付けています。

レッスン代	個人レッスン：3,000円／30分 グループレッスン：5,000円／60分（月2回） グループレッスン：10,000円／60分（月4回）
レッスン場所	大阪市西区
公式ホームページ	https://jazzviolin.jimdofree.com/

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ジャズヴァイオリンを楽しもう！

ジャズヴァイオリンは、リズムに乗って自由に演奏できるのが魅力の音楽です。

「クラシックよりもジャズが好きかも」という人は、ジャズヴァイオリンを学んでみてはいかがでしょうか？

教本やレッスンを活用すれば、ジャズ特有のリズムの取り方やアドリブのコツを学べます。

なお「自宅で自由にヴァイオリンが弾きたい」という人には、テレビやスマホでレッスンが受けられるオンライン講座がおすすめです。

人目を気にせず好きな曲を自由に弾けるようになるので、ぜひチャレンジしましょう！

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